あらしのよるのこ

去年の最後に見た映画がタイトルの通り「あらしのよるに」だった。
同じアニメなのにアギトとは天と地ほどもある知名度
シナリオはご存知の通り、食物連鎖に相反する奇跡のコンビが繰り広げる冒険物語。
種族の愛を超えてってな作品は多々あるが、当たり前の食物連鎖を超えてってな作品は新鮮ながら、単純に人の心を打つ。

もしも俺らが家畜と会話できたら、魚と会話できたら、植物と、果物と全ての生きとしいける物と会話できたら?何人の人間が罪の意識に駆られ餓死することだろう。
食事と言う行為は、それら全ての命を食らう行為だ。
ただ単に肉や魚、葉を食らっている訳ではなく、命を食らっているのだ。
だからこそ生きていける。食うだけで命を繋ぐことが出来る。
生き物が生きるという事は、必然的に幾つもの屍の上を歩いているのだ。
生きるという事はどれほど罪深き事か。
生きているだけで誰か(何か)を殺している。
世界から争いが無くならないのも頷ける。

そんな事を見終わった後に感じた。
とはいえ、食事をする事を止める事など出来るわけ無いし、食事を取る行為に罪悪感など感じる筈も無い。
むしろ残すと逆に失礼だと言われる。
本来、食す為に生まれた物なのだから残したりしたら余計に可愛そう、失礼に値する、と。
果たして、食物に対する考えは何が一番正しいの言うのか?
ソレは神のみぞ知ると言ったところか。