珍しき物を見る

今日演劇と言う物を見てきた。
自分の金で芝居を見るなんて事は正直初めてで、そうで無くても、20年以上昔に見たような気がすると言う程度。
ソレほどまでに芝居という物から遠ざかっていた俺が、何故突然そんな物を見たのか?

見たのは劇団ブサイコロジカルの第2回公演「イロトリドリノセカイ」実はこの劇団、プロでは無いのである。
熱意のみで全くのド素人集団をmixiやらwebでかき集め作り上げたのがこの集団である。
そんな集団にもかかわらず、1回目の公演には前5公演で総勢600人もの人間が訪れたという。
ってな訳で、自分も興味本位全快で見に行って見る事にした。
目白の街中にあるその舞台はせいぜい50〜100程度しか入れないような薄暗い場所で舞台も正直小さい。
そんな中で約100分もの演劇を行う。
 ソレは不思議な空間だった。
出演者と客が信じられないほど近くにいるのに、そこには絶対に超えられないような隔たりがる。
Liveなのに、客と出演者のコミニュケーションがほとんど無いのだ。
笑うことを拒否させられているかのような観客と、客を全く無視してているかのような出演者。
当初俺は音楽のLIVEのようなもっと賑やかで騒がしい物かと思っていた。
だがソレは全くの絵空事だった。
客と楽しませる側と、その演技を食い入る側。
ソコには甘え・馴れ合い等と言う物は一切無く、まるで観客と出演者のピンと糸の張りつめた真剣勝負を行っている様にも感じられた。
演劇とは果たして皆こういったモノなのだろうか?
 シナリオ的にはファンタジー?ミステリー?人間ドラマ?と言うように二転三転し、最初正直訳の分からなかった話が、結末に向かっていくにつれ様々な謎が解明されていく様には、実際そっちの方が目を見張るものがあった。
だが、観客にも出演者にもまだまだ改良の余地はあるだろう。
少なくとも俺自身コレをLIVEとして楽しんだらいいのか、映画で楽しんだらいいのかが分からない。
俺の中ではLIVEとは叫ぶもので、映画とは完全に黙って楽しむ物なのだ。
俺自身もこの不思議な空間を本格的に楽しめるようになるにはまだまだ経験が必要なのだろうと思った。