最後のタイムリープ


今日で仕事納めと言うこともあり、午前帰り。
仕事の重たい荷物を抱えたまま都内へ、目的はただいまリバイバル上映されている時かけをもう一度見る為である。
16:30からの上映と言う事でまだまだ時間はあったのだが、駅で寝てしまった為電車を一本逃すという大失態。
仕事場である空港駅にはJRの電車が1時間に1本しか来ない為、1本逃すととんでもないタイムロスにつながるのだ。
仕方がないので京成で都内に向かうハメに。
 そもそも、どっちにしようか悩んでいた為コレで思い切りが付いたといえば聞こえはいいのだが、当初地元の駅で荷物を置いていこうと思ってた予定が早速総崩れ。
何も入れる事の出来ない巨大なバッグを抱えたまま猛烈西日の当たる電車に揺られて都内へ。
目的地である恵比寿へ着いたのは16:16と正直結構ギリギリ。
ダッシュで上映劇場である恵比寿ガーデンプレイスへ向かう。実の所俺は学生時代、恵比寿に毎日通っていてガーデンプレイス等いわば庭といった場所、何とか間に合ってホント良かった。
 半年振りに見た時をかける少女は相変わらずで、季節は冬になってしまってもスクリーンに映る空は何処までも青く、そこには「変わらないもの」が間違いなく存在した。
 前回映画を見た後、原作本を購入して読んだのだが、実はこの物語は小説本にしてたったの100Pほどの短編小説だったのである。
劇場版のように話は入り組んでおらず、正直今の時代では古臭いと言われてしまう程の文章表現、そして主人公すら違うのだ。
原作の主人公は劇中主人公のアドバイザー的な役割で登場する叔母さんであり、原作の事を匂わす台詞をチラホラ。
しかし、最後の大仕掛けはやはり原作の頃から同様に存在し、劇場版が本当の時をかける少女であることには間違いなかった。
 俺が思うに、監督の細田守はこの原作のファンだったひとりなのではないかと思う。
彼が中高生だった時代に原作を読み、衝撃を受け映画監督になった今、当時の感動を今の少年少女にも共感が持てる様にアレンジを施し、そしてソレを成し遂げた。
 原作の良さを残して現代の作品に進化させることが出来るのは、ファンにしか出来ないことだと俺は思う。
何処が良いのか?何処を伝えればいいのか?何処が重要なのか?ソレを理解しているのは間違い無くファンの人間だからだ。
この作品を見て10年20年先にまた別の表現でこの作品を作り上げる人間が出てくるかもしれない。
そうして名作とは語り継がれて行くのだろう。
 この作品のDVDが出るのは来年3月。
アニメ映画としては異例の早さのリリースである。それだけこの作品が愛されたと言うことは間違いない。
ソレまでタイムリープせずに待っていようと思う。