今年初めの映画
映画ラッシュ5月の前のほんの静けさとも言えようか、今週は映画を全く見ない週だった。
しかし、ココ最近ホント映画が連続公開。
今はTVアニメの乱発なのだが、この先は劇場アニメ乱発の予感と言うか、確信がする。
果たして何時まで続くかこの自体?
と、言うわけで、今日は確か今年初めに見た作品鉄コン筋クリートをチョイス。
原作は松本太陽の同名漫画、松本太陽と言えば窪塚洋介のピンポンが有名である。
この作者の作品を見ると何時も自分は大きな勘違いをする。
当初、ピンポンと言う作品は主人公ペコが魔球を出しまくり、不条理な強さでライバルたちを蹴散らすような軽いノリのスポーツ漫画だとばかり思っていた。
だが、実際はペコは敗れさるし、実は自分より強かった友人に滅茶苦茶劣等感を抱き、それでも最後は努力してそれを超えていく真正面から激突するようなスポーツ漫画であった。
今回の鉄コン筋クリートも、見る前に紹介文を読んで見ると、シロとクロと言う二人の少年が自分らの居場所(舞台の宝町)を守るために闘うと言うシナリオらしいのだが、やはり不思議な力を使い不条理に悪党を倒すみたいな感じのシナリオを勝手に想像していた。
だが、その予想は今回も見事に裏切られる事になる。
主人公の2人シロとクロは大変頭の良いクソガキである。
彼らの守る術と言うのは、紛れも無い暴力。手にした棒で殴る蹴るの暴行。
地の利を生かし軽々逃げ去り、彼らの叫ぶ正義を貫き通し続ける。
喧嘩をする相手で何が一番コワいか?それは空手や格闘技を習っている事ではない。
一番恐ろしいのは肝の据わった相手なのだ。躊躇なく、暴力を振るい続ける相手、それこそが一番キレている人間であり、恐ろしい相手なのだ。シロとクロは間違い無くそれに属する。街の人間も2人を知らぬものは居らず、止めようとする者も居なかった。それはそれでそれなりの治安は保たれていたのである。
だが、そんな硝子細工の様な均衡を破壊する人間が現れる。宝町を我が物にせんとするホンモノのヤクザである。
雇われた殺し屋に襲われ、初めて恐怖する2人、そしてシロが傷付けられた事により薄々感づいていながらも今まで必死になって封じ込めていた自分の無力さやどうあがいても超えることの出来ないオトナとの力の差に感情を爆発させ、2人は決別の道を歩んでしまう。
一人になり自棄を起こすクロ。だが、シロそれすらも分かっていた。「オイラたちは2人で1つなんだ」と。
互いが互いを補う事によって初めて1人1人の人間として存在できていた2人。
クロの中の悪しき存在を消す事が出来るのはシロのみなのだ。
一人で最後の闘いに挑むクロを救えるのはシロのみなのである。
果たして最後の結末は!?
最初見る前の印象と、見た後ではイメージが180°変わってしまうのはこの作者の魅力。
恐らく、この作者もそれを狙って書いているのだろう。
松本太陽と言う男も真にクロとシロの様に頭の良い男だと思う。