大地丙太郎ってやっぱスゲェ

暇な休日何気なくキッズステーションを見てると、まかせてイルかってな作品を目にした。この作品の事は何かの雑誌で読んで大地丙太郎が監督をした作品だと言う程度の事は知っていた。
 彼の作品は割と好きな部類に入っている訳で、あのアバンギャルドな濃さは今のアニメ監督の中でも頭一つ出ている。
雑誌で見たイラストでは明らかにNHK向けと思われるキャラクターたちが並びおじゃる丸に近い作品ではないかと思われた。
暇だったし、とりあえず30分番組と言う事もあり見てみる事にしてみた。
ストーリーは湘南海岸でイルか屋を営む小学6年生の3姉妹海・空・蒼。
こんな3人組が運営するイルか屋ってのはありとあらゆる仕事を請け負う便利屋。
さてさて今日はどんな依頼が舞い込むでしょうか?
ってな感じの何処にでもあるような内容。しかし、それだけじゃ終わらないのが大地作品。作品紹介の部分に「手話を用いた実験的アニメ」ってな事が書かれており、実際キャラクターの一人は手話にて会話を行ったりするのだが、見所はソコじゃない。
俺が一番印象に残ったのは、この3人が完全に自立しているところである。
作中で理由は語られないのだがこの3人には親がいない。食事も掃除も風呂沸かしも発電すらも全て自分らで行っている。
それどころか、様々な客に対応したり、生きていく為に日々の勉強を怠らない。
「連帯保証人になっちゃいけない」なんて台詞小学生に喋らせるなんてこの監督ぐらいなモノだろう。
そう、こいつ等は小学生でありながら完全な大人なのである。
最近は大人になってもマトモに働きもせずのうのうと生きている人間の多い中、(実際俺も実家にいる時点でこの内の一人にはいるだろう)コレは結構衝撃的だった。
どうやら作品テーマも「シッカリしてよ大人!」だったようで、パッと見ただけでもソレは十分すぎるほど俺には伝わった。
原作コミックスを読んだり、何度も見返して作品の深いところまで考えるともっと別の意見も出てくるかもしれないが、少なくとも今回に至っては確かな「シッカリした大人の作品」だったと思う。